産後の尿失禁(尿もれ)は要注意です|こみやまレディースクリニックあざみ野|青葉区・女性医師の産婦人科

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コラム

産後の尿失禁(尿もれ)は要注意です|こみやまレディースクリニックあざみ野|青葉区・女性医師の産婦人科

産後の尿失禁(尿もれ)は要注意です

尿失禁は産後の後遺症

尿失禁(尿もれ)は産後に多い症状の一つですが、悩んでいる方は意外と多いのではないでしょうか?
尿失禁は不快なだけでなく、二次的な抑うつ状態の原因となり、ママの身体にも心にも悪影響を与えることが最新の研究により報告されました。簡単にご紹介します。

尿失禁がひどいと、恥ずかしさや孤立感を感じやすくなり、社会的なつながりから離れる傾向があると言われています。尿失禁によって精神的にも苦しむようになることは、容易に想像できます。この点に注目して、米国テキサス州の産婦人科医らが、産後の婦人419名を分娩後から12カ月間追跡して調査しました。

産後の尿失禁は意外に多い

419名うち、32.5%が「腹圧性尿失禁]」(咳、くしゃみ、ジャンプしたときなどに尿がもれる)を、16.5%が「切迫性尿失禁」(尿がたまっていないのに急に尿意を覚えて尿をもらす)を、経験していることが判明しました。実に3人に一人、非常に多いと思いませんか?
加えて、腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁のいずれについても、巨大児の出産や合併症を伴う分娩といった「リスク因子」との関連は認められませんでした。つまり、産後の尿失禁は分娩をした女性であれば、誰にでも起こり得ると言えます。

産後の尿失禁でメンタル悪化

その一方で、腹圧性尿失禁は、出産時の母体BMIが高いこと(肥満)、出産から12カ月時点での「抑うつスコア」が高いこと、切迫性尿失禁は、過去の出産回数が多いこと、出産から12カ月時点での「不安スコア」が高いこと、にそれぞれ関連していました。
産後の尿失禁と精神衛生状態の関連性について、これまで国内外ともにあまり注目されていませんでした。尿失禁に対して適切に対応することによって、尿もれを改善することができるだけでなく、メンタル面も改善できる可能性があるのです。

尿失禁には骨盤底筋トレーニングが必要

尿失禁の原因は、分娩で骨盤底筋がゆるんでしまうことです。骨盤底筋のゆるみを改善するには、「リハビリ(筋トレ)」が必要です。
骨盤底筋トレーニングには以下の二つの方法があります。
・骨盤底筋体操      
・磁力による骨盤底筋刺激装置

骨盤底筋体操は手軽に行うことができるトレーニング法ですが、下図のような筋肉群を有効に鍛えるのは、正直なところかなり難しいのが現状です。

骨盤底筋体操のやり方は当院Webサイト内の「骨盤臓器脱」の項をご参照ください。

「骨盤臓器脱の予防」はこちら☞

骨盤底筋トレーニングにはアンチェアーが有効

骨盤底筋トレーニングには磁力による骨盤底筋刺激装置(アンチェアー)が有効です。高出力電磁パルスによって、骨盤底筋を効率よく刺激し、引き締めます。30分間座っているだけで、骨盤底筋のトレーニングが可能です。

本を読んだり、スマートホンをいじったり、音楽を聴きながら、受けることができます。一度実施しただけでも効果を実感できますが、繰り返し行うことにより、トレーニング効果が高まります。

「子宮が下がった」「腟がゆるんだ」「排便しにくい」等のトラブルも、骨盤底筋のゆるみが原因なので、アンチェアーによって改善することが可能です。

詳しくはお気軽にお問合せください。

参考文献
Randhawa B, et al.
Factors Associated With Persistent Bothersome Urinary Symptoms and Leakage After Pregnancy.
Urogynecology ():10.1097/SPV.0000000000001528, April 30, 2024.

文責 小宮山瑞香
こみやまレディースクリニックあざみ野院長

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