骨盤臓器脱|こみやまレディースクリニックあざみ野|青葉区・女性医師の産婦人科

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骨盤臓器脱

骨盤臓器脱|こみやまレディースクリニックあざみ野|青葉区・女性医師の産婦人科

骨盤臓器脱とは?

骨盤臓器脱で悩む女性のイメージ

骨盤内の臓器である子宮・膀胱・直腸が下がってくる(下垂する)病気の総称です。それぞれの臓器別には以下のように呼ばれます。

  • 子宮脱、子宮下垂
  • 膀胱脱、膀胱瘤
  • 直腸脱、直腸瘤
  • 小腸脱、小腸瘤、腟脱

それぞれの臓器が個別に下がってくることは少なく、複数の臓器が同時に下がってくることが多いため、「骨盤臓器脱(pelvic organ prolapse: POP)」と総称されます。これらの臓器が腟の中に下がってくる状態を、「下垂」「瘤」と呼び、腟の外へ飛び出してしまった状態を「脱」と呼びます。 近年、閉経後性器尿路症候群(閉経関連性器尿路症候群:GSM)との関連性も指摘されています。

骨盤臓器脱の原因

  1. 加齢
  2. 経腟分娩(特に巨大児、多産、難産の既往)
  3. 腹圧がかかる仕事や作業が多い(ふんばることが多い)
  4. 閉経による女性ホルモンの低下(女性ホルモンは骨盤底筋を強化しているため)
  5. 肥満

などにより骨盤内の臓器を支えている筋肉や靭帯が次第に緩んでしまい、結果として子宮・膀胱・直腸などを支えきれなくなり、これらが腟の中に下がってきてしまうのです。

米国では出産を経験した女性の2人に1人は骨盤臓器脱の症状があるとも言われています。

骨盤臓器脱の症状

以下のような症状により不快感が強く、日常生活に支障を来すことが多いです。

  • 何かが下がってきている感じがする(下垂感)
  • 腟や股に何か挟まった感じがする
  • 腟から何かとび出している
  • 尿がもれる
  • 尿が出にくい
  • 頻尿、尿が近い
  • 便秘
  • おりものが多い
  • おりものがにおう
  • 不正出血(臓器が脱出して擦れることによる)

骨盤臓器脱の診断

視診と触診・内診ですぐに診断できます。超音波検査で周囲臓器との関係もチェックします。
脱の程度により、ステージⅠ~ステージⅣに分類されます。

  • ステージⅠ・・・臓器が腟内に留まっている
  • ステージⅡ・・・臓器が腟口から1㎝程度出ている
  • ステージⅢ・・・臓器が腟口から1㎝以上で出ている
  • ステージⅣ・・・腟が翻転し、臓器が完全に脱出している

骨盤臓器脱の治療

骨盤臓器脱の治療

骨盤臓器脱の治療は、手術療法手術以外の治療(保存的療法)に大別されます

  1. 骨盤底筋トレーニング
    ・骨盤底筋体操
    ・アンチェアー
    ・モナリザタッチ
  2. リング・ペッサリーの腟内挿入による整復
  3. 手術
    ・腟式子宮全摘出術と腟壁形成術
    ・腟閉鎖術
    ・メッシュを用いた手術(TVM手術)
    ・腹腔鏡下仙骨腟固定術(ロボット支援下仙骨腟固定術)

個々の状態や希望に応じて、これらを複合的に選択します。
手術療法は一般に入院や全身麻酔が必要となります。
当院では保存的療法である上記の①と②を積極的に実施しています。これらは外来ベースで行うことができます。

骨盤臓器脱の予防

骨盤臓器脱の予防

骨盤臓器脱の予防には、以下の点に留意する必要があります。とりわけ骨盤底筋体操は、日常生活の中で簡単に行うことができ、しかも非常に効果的なトレーニングです。

  • 生活習慣の改善・・・肥満や便秘の解消
  • 腹圧をかけ過ぎないように心がける
  • 骨盤底筋体操

骨盤底筋体操について

骨盤底筋体操は腟や肛門を絞めたり緩めたりする動作の総称です。骨盤底筋体操のコツは以下の通りです。

  1. あお向けに寝て、膝を立てて、肩幅と同じくらいに両足を開きます。
  2. 腟、肛門を10秒間ずっと引き締めます。そして10秒間力を抜いて休みます。この動作を10セット行います。
    (「きゅーー」「だら~~」のイメージです)
  3. 腟、肛門を素早く引き締め、すぐに緩めます。この動作を10セット行います。
    (「きゅっパッ」「きゅっパッ」のイメージです)
  4. この②と③の動作を、一日に数回行います。

是非とも仕事や家事の合間に行って下さい。

一人で悩まずに気軽に相談してください!

骨盤臓器脱は正しい診断を行い、適切な治療を行うことで間違いなく改善します。日常生活の質も明らかに良くなります。人生100年の時代、高齢女性も自分らしく、好きなことに取り組んで、輝いて生きる時代です。一人で悩まずに、まずは気軽にご相談ください。
私たちは女性の生涯に渡る伴走者として、皆様に寄り添ってまいります。

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