がんが心配・がん検診したい|こみやまレディースクリニックあざみ野|青葉区・女性医師の産婦人科

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がんが心配・がん検診したい

がんが心配・がん検診したい|こみやまレディースクリニックあざみ野|青葉区・女性医師の産婦人科

  • 子宮頸がん
  • 子宮頸部異形成
  • 頸がん検診
  • 子宮体がん
  • 卵巣がん
  • 婦人科がん検診
  • 異形成外来
  • 異形成レーザー治療
  • 子宮頸部レーザー蒸散術
  • がんリスク検診

子宮頸がん・子宮頸部異形成とは?

子宮頸がん・子宮頸部異形成とは?

子宮頸がんは子宮の「出口」にできるがんです。その「前がん病変」は、子宮頸部異形成(上皮内腫瘍:CIN)と呼びます。「前がん病変」とは、「今はがんではないが、将来がんに移行するかもしれない状態」と言えます。
 
子宮頸部異形成は病変の程度によって、CIN1(軽度異形成)CIN2(中等度異形成)CIN3(高度異形成・上皮内がん)の3段階に分類されます。
近年、子宮頸がん・子宮頸部異形成のいずれも20~30歳代の若い女性に急激に増加しています。また高齢化に伴い、70歳代以降の女性にも子宮頸がんが増加傾向があることが指摘されています。

子宮頸がん・子宮頸部異形成の主たる原因は、性交渉により感染する「ハイリスク型のヒトパピローマウイルス(HPV)」の持続感染です。大多数の女性が一度はHPVに感染しますが、通常は免疫力によりHPVは排除され、多くは自然消失します。しかし一部の女性では持続的に感染が続き、数年から10数年を経て、CIN1→CIN2→CIN3→子宮頸がんへと段階的に進展することがわかっています。

HPVの持続感染は、喫煙者、低用量ピルの長期内服、性交渉のパートナーが多い、という女性に起きやすいということもわかっていますので、注意が必要です。ハイリスク型HPVのうち、16型、18型、31型、33型、35型、45型、52型、58型は日本人女性において特に注意が必要なタイプで、これらが子宮頸がんのおよそ9割の原因となっていると考えられます。

子宮頸がんは腫瘍が大きくなってくると、不正性器出血やおりもの異常を生じますが、子宮頸部異形成や初期の子宮頸がんは自覚症状を示さないことがほとんどであり、多くは子宮頸がん検診で発見されます。言い換えれば、子宮頸がん検診を受けなければ、子宮頸部異形成や初期の子宮頸がんの早期発見は困難です。

子宮頸がん・子宮頸部異形成の診断と管理は?

子宮頸がん・子宮頸部異形成の診断

子宮頸がん・子宮頸部異形成の診断と管理は?

子宮頸がんや子宮頸部異形成の診断は、子宮頸部細胞診コルポスコピー診(コルポ診)組織診(生検)HPV検査、により総合的に行います。
 
細胞診は子宮頸がん検診における最初の検査であり、細胞診で異常を認めた場合(LSIL、ASC-US、ASC-H、HSIL、SCC、AGCなど)、精密検査としてコルポスコピー診、組織診、HPV検査を行います(軽度の異常であるASC-USを認めた場合には、コルポ診や組織診の前に、HPV定性検査を行う場合もあります)。
コルポ診で病変を確認し、パンチ生検を行い、採取した組織を顕微鏡で調べ(組織診)、確定診断がつきます。

さらにCIN1(軽度異形成)もしくはCIN2(中等度異形成)の診断となった場合は、HPV型判定検査(HPVタイピング検査)を行います。

明らかな肉眼的浸潤がんの場合はこれらに加えて、血液腫瘍マーカー検査画像診断を行い、腫瘍の広がり具合や病勢を調べます。

子宮頸がん・子宮頸部異形成の管理

  • CIN1(軽度異形成)
    CIN1(軽度異形成)の場合は、すぐに治療を行うことはまれで、経過観察を行います。その理由は、自然治癒(消退)することが多いからです。一般にCIN1ではおよそ7割の方は自然治癒すると言われています。
  • CIN2(中等度異形成)
    CIN2(中等度異形成)では、約半数の患者さんで自然治癒すると言われていますが、残りの半数は長期に渡って遷延したり(治らない)、CIN3へ進行します。
  • CIN3(高度異形成・上皮内がん)
    CIN3では自然治癒する可能性は1割程度と非常に低く、多くは遷延もしくは子宮頸がんへ進行します。

よって、①CIN3(高度異形成・上皮内がん)、②CIN2(中等度異形成)が長期に渡って遷延する場合、③CIN2で上記の特に注意が必要なハイリスク型HPVが検出された場合、には積極的に治療を考慮します。

子宮頸がんの場合はただちに治療が必要になりますが、進行期により治療内容が大きく異なります。通常は婦人科がんの専門医のいる大学病院や総合病院で治療が行われます。がんの顔つき(組織型)や進行期などを考慮した上で、手術、放射線治療、化学療法などが行われます。

子宮頸部異形成の治療は?

治療法は手術療法が選択されます。代表的な手術は、子宮頸部円錐切除術子宮頸部レーザー蒸散術です。いずれも腟からの手技なので、お腹にキズは残りません。その後の妊娠・出産も可能です。

当院では婦人科がん専門医(婦人科腫瘍専門医かつ細胞診専門医)による検査(細胞診、コルポスコピー診、組織診)から治療(CO₂レーザー治療)までを、一貫して行うことが可能です
大学病院などの高次機関に足を運ばなければ受けることができない質の高い医療を、身近なクリニックで、しかも1カ所で済ませることができるのです。

当院では、

  1. 子宮頸部高度異形成(CIN3)の一部
  2. ハイリスク型HPV陽性の子宮頸部中等度異形成(CIN2)
  3. 長期に遷延する(なかなか軽快しない)子宮頸部中等度異形成(CIN2)
  4. 長期に遷延する(なかなか軽快しない)ハイリスク型HPV陽性の子宮頸部軽度異形成(CIN1)

に対してCO₂(炭酸ガス)レーザーを用いた子宮頸部レーザー蒸散術を行います。

レーザー蒸散術は円錐切除術と比べて、術中術後の合併症やその後のトラブル(妊娠した場合の流産・早産・絨毛羊膜炎、頸管狭窄など)が明らかに少ないことが知られています。よって妊娠を希望する若い女性をはじめ、いろいろな年齢層の女性にとってメリットの大きい手術です。しかも入院は不要で、外来で日帰り手術として行うことができるのです。
ただしレーザー蒸散術は、組織診による確定診断とコルポスコピーで病変全体が確認できること(可視範囲内)が条件となります。上記の①~④以外であっても、長期間の経過観察が困難な場合や、患者さんの治療希望が強い場合には、レーザー治療を考慮します。

他院で子宮頸部異形成の診断がつき、当院での治療を希望される場合は、あらかじめ電話でご相談ください。病状によっては、来院当日の”即日レーザー治療”も可能です。

なお、子宮頸部レーザー蒸散術は保険診療(保険適用)です。

子宮頸部異形成に対する有効な薬物療法は現時点ではありません。HPVワクチンは、HPV感染を予防する効果はありますが、異形成やがんを治療することはできません。

子宮体がんとは?

子宮体がんとは?

子宮体がんは子宮の「奥」にできるがんで、子宮内膜がんとも呼ばれます。その頻度は近年増加傾向にあります。とりわけ、閉経期以降の女性に多いがんです。
また以下の因子がある場合は、子宮体がんになるリスクが高いと言われています。

  1. 妊娠したことがない
  2. 卵巣機能不全で排卵障害(無排卵)がある
  3. 多のう胞性卵巣症候群(PCOS)
  4. 女性ホルモン薬(エストロゲン)の長期服用
  5. 乳がんのホルモン療法(タモキシフェン)を受けている
  6. 糖尿病
  7. 肥満
  8. 家系内に子宮体がんや大腸がんの方を多数認める(Lynch症候群)

子宮体がんの「前がん病変」として、子宮内膜異型増殖症があります。

子宮体がんの初発症状は不正性器出血が多く、特に閉経後の不正性器出血です。しかしながら閉経前であっても、前述のようなリスクのある女性の場合は注意が必要です。

子宮体がんの診断は?

子宮体がん検診の方法としては、子宮体部から採取する細胞診(内膜細胞診)や腟から調べる超音波検査で子宮内膜の厚さを計測する方法などがあります。子宮体がんの確定診断には、内膜組織診(内膜生検)が必要であり、さらに血液腫瘍マーカー検査画像診断が行われます。

一般に子宮体がんは不正出血などの症状が早期から起こりやすいので、無症状での検診の有効性はいまだ不明です。ただし、Lynch症候群の家系の方や、血縁者に子宮体がん、大腸がん、胃がん、卵巣がんがいる方乳がんのホルモン療法(タモキシフェン)を受けている方ホルモン補充療法を受けている方は、内膜細胞診や超音波検査による内膜計測を定期的に行うことが奨められます。

子宮体がんの治療は?

治療の基本は手術療法です。術後に再発リスクを考慮した上で、化学療法や放射線療法が追加される場合もあります。通常は婦人科がんの専門医のいる大学病院や総合病院で治療が行われます。

卵巣がんとは?

卵巣がんとは?

卵巣は腹腔内(お腹の中)にあること、自覚症状が出にくいこと、細胞や組織を簡単かつ安全に採取してくることが難しいことなどから、早期診断が難しいがんです。その結果、実際に卵巣がんと診断された時にはすでに3期、4期の進行がんであることが約半数例です。

また近年、ある種の遺伝子(BRCA1/2)の生まれながらの異常(生殖細胞系列の病的バリアント)があると、高率に乳がんや卵巣がんになりやすいことが判明し(遺伝性乳がん卵巣がん:HBOC)、ある著名なハリウッド女優が、自分はHBOC家系であることと発症前に予防的に健常な乳房や卵巣卵管を摘出したことをカミングアウトしたことで一躍全世界で話題になりました。加えて、子宮内膜症や卵巣チョコレート嚢胞があると、将来卵巣がんが続発しやすいこともわかってきました。
原発性腹膜がん(腹膜がん)卵管がんは卵巣がんの類縁疾患で、いわば「兄弟」の病気です。

卵巣がんの初発症状には、腹痛、腹部違和感、腹部膨満感、不正性器出血などがありますが、無症状であることも多いという点が極めて重要です。

卵巣がんの診断は?

卵巣がんの診断は、超音波検査、血液腫瘍マーカー検査、画像診断を行い、卵巣がんの疑いが強い場合は、早期に手術を行い、摘出したものを病理組織検査することにより、卵巣がんの診断が確定します。言い換えれば、手術により細胞や組織を取ってこなければ、卵巣がんの確定診断はつきません。

残念ながら現時点では有効な卵巣がん検診(罹患率や死亡率を減少させることが科学的に証明された方法)は存在しないのが実情です。ただし、HBOCの家系の方や、家系内に卵巣がん、卵管がん、原発性腹膜がん、乳がん、胃がん、膵がん、前立腺がんの方がいる場合は、経腟超音波検査と血液腫瘍マーカー(CA125)による定期的検査が奨められます。

卵巣がんの治療は?

卵巣がんに対する治療は、手術療法化学療法(抗がん剤治療)の集学的治療です。通常は婦人科がんの専門医のいる大学病院や総合病院で治療が行われます。

卵巣がんは婦人科がんの中でも、手術の内容、再発リスクの評価、抗がん剤の組み合わせの采配などがとてもむずかしく、経験豊富なエキスパートのいる施設で医療を受けるのが望ましいです。また一般に治療経過が長くなることが特徴です。

婦人科がん検診について

婦人科がん検診には、

  1. 子宮頸がん検診
  2. 子宮体がん検診
  3. 卵巣がん検診

があります。このうち、すべての女性に対して無条件に有効性(死亡率の減少効果)が科学的に証明されている(エビデンスが証明されている)のは、「子宮頸がん検診」のみです。通常は、視診・内診と細胞診、必要に応じてHPV検査が行われます。

一般に、子宮体がん検診は細胞診と超音波検査、卵巣がん検診は超音波検査と血液腫瘍マーカー検査(CA125)が、それぞれ行われることが多いですが、この二つは検診による死亡率の減少効果のエビデンスはなく、症状のある方や前述の体がんや卵巣がんのリスクを持つ方に推奨されます。

しかし、科学的根拠(エビデンス)に基づくがん検診と、各自が健康管理を行う上でのがん検診は、目標とするところが異なります。また婦人科がん検診を行うことで、子宮筋腫や子宮内膜症などの良性疾患が見つかることや、腟炎や性病が見つかる場合もしばしばあります。

当院では患者さんの不安や心配に寄り添ったオーダーメイドの婦人科がん検診を、個別に提案します。さらに婦人科がんのエキスパートである副院長が、結果や方針に対する適切なアドバイスを行います。

横浜市子宮頸がん検診について

横浜市子宮頸がん検診について

横浜市内在住の20歳以上の女性は、2年度に1回、市子宮頸がん検診を受けることができます。検査方法は細胞診検査で、受診者負担額は1,360円です。また70歳以上の方は無料で受けることができます。
当院では予約なしで実施が可能です。お友達やご家族をお誘いの上、いつでもお越しください。

検診の流れ

1

問診

問診票に、月経の様子、不正出血の有無、妊娠歴、閉経年齢などを記載し、医師が確認します。

2

視診、内診

専用器具(クスコ腟鏡)を腟内に挿入し、子宮頸部(子宮の出口)を観察します。

3

細胞診

採取器具で子宮頸部を優しくこすり、細胞を採取します。

ほとんど痛みは無く、②~③合わせてわずか1~2分で済みます。細胞診の結果は、後日口頭でお知らせします。

万が一、細胞診で異常があった場合は、総合病院などの高次施設に紹介となり、その施設で精密検査となる場合が多いのですが、当院では「婦人科がん専門医」(婦人科腫瘍専門医かつ細胞診専門医)による質の高い精密検査を速やかに受けることができます。よって他施設に行く必要はなく、1カ所で済ませることが可能です。

子宮頸がんはあなたの生命や子宮を奪うのみならず、あなたの生まれてくる子供たちの誕生の機会をも奪う恐ろしい病気です。しかし、検診で早期発見することにより、治癒が望める病気でもあります。
私たちは若い女性はもちろんのこと、すべての年齢の女性に子宮頸がん検診をお奨めします。

(絵の出典:日本医師会「知っておきたいがん検診」)

がんリスク検診

当院では「がんリスク検診」を行っています。がん遺伝子パネル検査を用いて、がん関連遺伝子の異常を網羅的に検索する次世代のあたらしい検診と言えます。血液検査(採血)で簡便に行うことができ、婦人科がんはもちろんのこと、その他のがんのリスクも調べることが可能です。
詳しくは下記をご覧ください。

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